7月5日に極地研究所で大気微量成分連続観測訓練を受けてきました。
この観測は、本来は気象担当ではなくモニタリング担当が行う仕事なのですが、
自分が参加する55次隊ではその担当隊員が削減されてしまったので、
気象担当が代わりに行うことになった観測です。
大気微量成分観測とは、その名の通り大気中の微量な成分を調査するものです。
大気(空気)は基本的に窒素と酸素でできています。
引用元
この観測では、窒素以外の成分を測ります。
具体的には、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、酸素です。
これらの気体は地球温暖化などの気候変動を監視する上で
非常に重要な気体なので、昭和基地で毎日観測を行っています。
測定器を見せてもらったので、少し紹介します。
この日は概論的な話が中心で、実際にこれらを使った実習は
10月の予定なので、その時にまた詳しく説明したいと思います。
二酸化炭素の測定装置。
メタンの測定装置。
酸素測定装置。
この測定装置は気温の変化に弱いそうで、ビニール製の温室に大切に保管されています。
標準ガス。
この観測ではたくさんのガスボンベを使います。
気体の濃度を観測したいなら、単純に空気をポンプで吸引して、
測定器で測ればいいと考えてしまうかもしれませんが、
これらの測定器には「物差し」となるものがありません。
そこで、既に濃度が分かっている気体を使ってあらかじめ、
「物差し」を用意しておき、目的の気体の濃度を測定します。
その「既に濃度が分かっている気体」が標準ガスと呼ばれるこれらの
ボンベなのです。
ちなみに、この標準ガス、濃度が正しいかを調べてもらうために
わざわざアメリカまで持っていくものもあるんだとか。。。
本題とはズレますが、
測定器が置いてある部屋には、なんだか化学実験の実験器具のようなものがあって、
ひとり興奮してしまいました!
大学時代は理系にも関わらずこういう場所で格好良く研究をしたことが無いので、
ちょっと憧れます。(たぶん南極でも、その格好いい部分は担当しないのでしょうが。)
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