昨日までの2日間、つくば市の高層気象台でオゾンゾンデの訓練を受けてきました。
オゾンゾンデ観測では、地上から高度30キロぐらいまでのオゾンの量を測る観測です。
水素やヘリウムのように軽い気体を入れた風船に観測機器をつり下げ、
その機器で測ったデータを地上の観測所に電波で送ります。
オゾンゾンデで大切なのは、Standard Operating Procedure(標準操作手順)と呼ばれる
国際ルールを守って観測を行わないと、せっかく得られたデータが
使えなくなってしまうという点です。
自分で勝手にルールを変えたり、事前点検をサボったりすることは決して許されません。
また、毎日行うラジオゾンデ観測よりも高価な機械をつかうので、
慎重に準備作業をすることが求められます。
ましてや、南極のオゾンゾンデ観測のデータは、オゾンホールの状態を監視するために
世界中に配信されていきます。
訓練の1日目は、通常の観測で行う事前点検の練習でした。
オゾンゾンデの点検器をつかって、使う予定の機器の性能試験を行います。
自分は、去年札幌で同じ観測を経験しているので、細かい手順の再確認でした。
オゾンゾンデは大学院の実習のカリキュラムに入っているぐらいで、
慣れてしまえば、昭和基地でやる観測の中で比較的簡単な部類に入るかと
思っていたのですが、甘かったようです。
いつの間にか、機器に接続している白色のチューブが傷だらけに、、、
(写真ではピンぼけして見にくいかも。)
オゾンゾンデを準備する中でチューブを抜き差しする作業があるのですが、
慣れていないと力加減が非常に難しいのです。
折角なので、南極で同じトラブルが起こった時の対処法も勉強しました。
訓練の2日目は点検に使う装置のメンテナンス方法の勉強です。
点検で使う真空ポンプの油交換とか点検に使う機械の構造などを勉強しました。
オゾンゾンデ観測は作業が多いので、ちょっとでも気を抜くとミスをしてしまうようです。
昭和基地では、2人体制での作業することにして、正確に作業をしているか
チェックできるようにしてミスの無いようにしたいと思います。
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